BIMにより事前に問題を解決するフロントローディング

更新日2016年04月28日

BIMにより事前に問題を解決するフロントローディング。

株式会社大塚商会 × フリーダムアーキテクツデザイン株式会社

昨年秋以来、BIMを取り扱える三次元CADソフト「Revit」の運用を推進しているフリーダムアーキテクツデザイン(以下 フリーダム)。
現在は主に基本設計で活用されているのだが、積極的に利用している設計士が「これは使える」と実感するシーンがいくつかあるという。
ひとつは、先のリリースにもある、お客様とのプラン合意がスムーズになるという点。そしてもうひとつが、今回紹介する構造フレームの整合性確認が容易になるという点だ。
「これは建築業界喫緊の課題である“フロントローディングの推進”にも有効です」と語るフリーダムの設計士に、率直な意見を伺ってきた。

基本設計段階で「構造フレームとの整合性」を確認。
確かめられない、という現状を改善。

―御社内では、独自のスキルテストなどを経て、「Revit」の実戦投入がさらに加速しているようですね。改めて、有効性を実感している点などを教えてください。

フリーダム・長澤信事業開発部長-「お客様にはじめから3Dパースを見せて提案することで、合意決定をスピーディに得ることができる」というメリットは、前回お話しました。今回は設計視点で「構造フレームとの整合性」を、早い段階で確認できるというメリットをお話します。
弊社はRevitを使い意匠設計を3Dモデルで作成、そこに構造フレームの3Dデータを入れ検証・変更を行います。つまり事前にパソコン内で一度大まかに建物を建ててしまうんです。従来のように2次元の構造伏図、軸組図、そこに書かれている数字や金物の情報を読みこんだ上で、想像・検討しなくても、意匠モデルに構造フレームの3Dデータを重ねてみれば、一目瞭然。納まっていない柱は壁から飛び出し、勾配のあっていない梁は天井や屋根から飛び出して見えます。
従来は設計がある程度煮詰まった段階で構造計算に回していましたが、これなら初期段階から構造設計者と打合せを行うことができ、無駄のない計画が可能になります。

3Dパース

これまでは意匠設計図書をもとに構造計算を行い、判定するというのが住宅設計の流れでしたが、本来ならば初期段階から構造の検証が必要です。設計プロセスのかなり川下にいってから「これでは建てられない」ということが発覚し、修正対応をしなければならないのは非効率です。これは、業界の人間ならば誰でも分かっていること。だからこそ、フロントローディングが課題とされているわけです。

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