「知らないと損」な災害リスク情報を、すべての人に(4ページ目)

更新日2016年12月08日

安心な住まいを、より簡単に選べる
サービスを通じて、データをさらに収集

建築知識研究所―実際に「災害リスクの低い土地」を探すには、どんな手順が有効なのですか?

地盤ネット―私がマイホーム購入時に試してみたのは、次のような方法です。

① いくつかの候補地を選び、近隣も含めた地盤調査(主にスウェーデン式サウンディング試験)のデータを集める。
② 自治体・各種研究機関などが発表している多数のハザードリスクに関するデータを入手する。
(「浸水想定区域」「洪水ハザードマップ」「地震発生時の揺れやすさ」「液状化リスク」「火災延焼リスク」など多岐にわたる)
③ 集めたデータを候補地のマップや地形図と重ね、よりリスクの低い土地を探しだす。


こういうと、案外簡単そうに見えるかもしれませんが、実際にはこの検証に必要なデータを手に入れるために、どこに行ったらいいのかですら、一般消費者の方は知らないでしょう。
また、自治体や研究機関・学会などに問い合わせてみても「このデータはうちにあるが、そのデータはあそこが担当」といった具合で、データが集約されておらず、連携がとれていないことも多い。気になる候補地、数箇所の災害リスクを検証するだけでも、非常に手間がかかるものだと痛感しました。

建築知識研究所―しかし、それでも消費者自らが動かないと、一生モノの買い物に安心を担保できない……というわけですね。

地盤ネット―正直、住宅地盤のプロである私でもデータ収集には手こずったくらいですから、これを専門家でもない一消費者がやろうとするのは、非常に難しいでしょう。
こうした試行錯誤の末に、私たち一家が選んだ土地というのは、当初候補に挙げていたのとはまったく違うエリアになりました。縄文時代の貝塚が残る高台で、江戸時代には武家屋敷があり、近隣は宅地として400年以上の歴史がある街です。海抜30mというのは皇居の吹上御所と同程度ですから、万が一の災害にも安全なのではないかと、家族みんなが納得しての購入でした。

建築知識研究所―ご自身のマイホーム購入経験で感じた違和感や煩雑さ。それを改善しようと生み出されたのが「地盤安心マップ」サービスなのですね。

地盤ネット―そうです。前項で述べたようなエリアごとの災害に関わるデータをインターネット上のマップサービスに集約してありますので、消費者の方は気になる街・土地の住所を入力するだけで、そこにどんな災害リスクがあるのか(もしくはないのか)が、地図上で分かるようになりました。

地盤安心マップ

建築知識研究所―ピンポイントの住所はもちろん、縮尺を変えることで、ある程度広い範囲で過去にどんな災害が発生しているかがわかって、とても便利ですね。自分が購入しようとしている土地や住まいが、災害物件になってほしくないと願う消費者にとって、とても有益なサービスだと感じました。

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