CADからBIM・Revitへ:事前に知っておくべきこと
ー BIMはプロセスと考える ー

更新日2020年11月30日

CADからBIM・Revitへ:事前に知っておくべきこと ー BIMはプロセスと考える ー

フリーダムアーキテクツデザイン株式会社

住宅業界BIM加速の動き

住宅業界の中で現在BIMの取り組みは設計事務所やビルダーのみならず住宅づくりに関連する様々な分野にも広がりはじめている。国の動きやコロナ禍の影響もあり企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)対応は急務となっており、水面下ではあらゆるアプローチでBIM活用へ向けた取り組みがはじまっている。

そのような状況の中、ここで改めてCADからBIM・Revitへ取り組む前にあらかじめ知っておくべきことをBIM確認申請までの取り組み100棟を突破したフリーダムアーキテクツの知見から確認しておきたい。

これからBIM化を進める方へ、これまで様々な試行錯誤から生み出されたフリーダムの知見は何かのヒントになるはずである。

住宅の分野でBIM化が進んでこなかった背景

これまで木造住宅の分野でBIM化が進んでこなかった背景は多々あるが、その中でも大きな要因の1つとして「木造住宅の分野でBIMへの取り組み方がまだ知られてない」ことがある。実際にRevitを使いこなしBIMのワークフローをきちんとまわしている人の現場感覚は、もう2次元には戻れないが率直なところだろう。それだけ効果を実感できるBIMではあるが、組織への導入は案外大変である。

これまでの2次元の世界では、2次元ソフトを購入し操作方法を覚えたら自社で運用可能であった。平面図は平面図、立面図は立面図、展開図は展開図と線で図面を描いていくのはごく普通の流れでやり方もさほど変える必要もない。

しかし、BIMの場合はRevitを購入し、操作方法を覚えただけでは自社で運用することはできない。BIMは3Dベースの設計プロセスであり、新しい業務の進め方に変える必要がある。組織自体を変える必要も出てくるかもしれない。

2次元CADと同じような感覚でBIM運用をはじめると、よくあるケースとしていつの間にかデータが分かれデータ連携がうまくできなくなる。それらの整合性を再度取るのに多くの時間がかかる。結局2次元ベースの図面での打ち合わせになる。そうしてRevitのデータが2次元データの後を追うようになる。こうなると工数は一気に膨れ上がり、スケジュールにも影響しかねない。
このような事態を避けるために、段階ごとに必要な情報を足しながら1つのデータで運用を無理なくできるよう、自社に合ったBIMワークフローを構築し運用していきたい。

CADからBIM・Revitへポイントは2つ

住宅づくりのプロセスとソフトはセットで

BIMは、ソフトの操作を覚えただけでは自社で運用することはできない。 Revitを購入し、自社に合った住宅づくりのプロセスであるBIMワークフローを構築してから運用していく。

そして、BIMワークフローを検討する際はBIM確認申請をBIMワークフローの肝にすることをおすすめする。

確認申請はある程度共通ルールが存在し、申請の情報は最低限建物を建てるためには必ずクリアしなければならない情報である。その前の工程、後の工程でどうBIMの情報をつなげていくかを考えることで、現場で違和感なく、BIMの効果を感じられるBIMワークフローの構築ができるだろう。

参考:住宅BIMワークフローを徹底解説 ~BIM×組織~
https://www.cadjapan.com/special/bim-navi/download/report/workflow.html

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