改正マンション建替え円滑化法 12月24日に施行

更新日2014年10月20日

政府は8月15日、耐震性が不足するマンションの建替えを促す施策を盛り込んだ改正マンション建替え円滑化法の施行期日について、12月24日と定める政令を閣議決定した。

併せて、建替え促進策の1つとして改正建替え円滑化法に盛り込まれた、容積率の緩和特例に関する事項を整備した政令を閣議決定。容積率の緩和特例の対象となる耐震性不足マンションの敷地面積規模について、都市計画法に基づく用途地域別に3段階で定めた。具体的には第1種・第2種低層住居専用地域と用途地域無指定区域で1,000㎡以上、それ以外の住居系の用途地域と工業系の3地域では500㎡以上、近隣商業地域と商業地域では300㎡以上とした。

容積率の割増し幅や建替え後のマンションに求める市街地環境の整備、改善に資するための具体的な条件などについては今後、検討していく。

国土交通省によると、耐震性が不安視される旧耐震基準で建設されたマンションは2012年末時点で約106万戸に上る。一方、建替え実績は'13年4月時点で累計183件、約1万4,000戸にとどまる。改正建替え円滑化法は、南海トラフ巨大地震や首都直下型地震といった巨大地震が発生するおそれがあるなか、耐震性不足マンションの建替えが喫緊の課題であるとして制定された。

また、改正建替え円滑化法では容積率の緩和特例のほか、敷地売却制度が創設された。マンションやその敷地について、区分所有者の5分の4以上の賛成で売却できるようにするもの。全員同意が必要な現行規定を緩和するものだ。建替えを進めるうえで、困難を伴う課題とされてきた区分所有者間の合意形成を図るための新たな手段として期待される。

なお、容積率の緩和や敷地売却制度は、震度6強程度で倒壊のおそれがあるマンションが対象。

MONTHLY NEWS (建築知識2014年10月号)

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