2005年5月以前の木造 新耐震基準でも約8割が倒壊の恐れ

更新日2014年11月01日

8月19日、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(以下、木耐協)は、2006年4月1日~'14年6月30日の8年3ヵ月間に実施した全国2万176件の耐震診断について分析した結果を公表した。対象家屋は、1950年~2000年5月に着工された木造在来構法2階建て以下の建物。

わが国の耐震基準は、大地震により人と建物に深刻な被害が及ぶたびに改正され[※]、その都度耐震性が強化されてきた。しかし、本調査結果によると、震度6強~7程度の大地震でも倒壊しないとされる「新耐震基準で建てられた住宅」でも、建築基準法が再改正された'05年5月以前に建築された木造住宅の約8割には、十分な耐震性がないことが分かった。「旧耐震基準で建てられた住宅」においては、ほぼすべての木造住宅で十分な耐震性なしという結果であった[図]。

国は2015年までに既存住宅の90%を耐震化する目標を掲げており、旧耐震住宅については、1995年12月より耐震診断や改修工事の補助事業を進めてきたが、1981~2000年に建てられた新耐震基準による住宅は、耐震性があることが前提となっているため補助の対象外である。

木耐協の担当者は「住宅の老朽化度合いや建方当時の金物の仕様にもよるので、一概に'81年新耐震基準の住宅が危ないというわけではないが、年代・金物の仕様によっては倒壊の危険性が高い住宅もある」とし、耐震診断を行うことを勧めている。

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MONTHLY NEWS (建築知識2014年11月号)

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