自治体の耐震診断・改修補助制度 前年から導入率上がらず

更新日2014年11月01日

国土交通省は9月9日、全国の自治体の耐震改修などに対する補助制度の整備状況(2014年4月1日時点)について発表した。全国1,741市区町村での補助制度導入率は、耐震診断83.2%、耐震改修77.3%と、昨年度からほぼ横ばいの結果となった。対象を戸建住宅にかぎり市区町村での導入率をみると、耐震診断が82.5%(前年比+1.6ポイント)、耐震改修が77.0%(前年同)。都道府県単位では、耐震診断の導入率100%の県は29府県、耐震改修で25府県ある。一方で診断・改修ともに導入率が40%を下回る県も4県あり、都道府県ごとの進度には差が見られる。

制度の導入が進まない背景に関し、耐震改修の経験が豊富な佐久間順三氏(設計工房佐久間)はこう指摘する。「建築主の耐震改修への意識の低さが原因の1つだとよく言われるが、それは建築士や自治体担当者の意識の反映である。彼らが耐震改修の重要性を認識し、建築主へ情報提供すれば、耐震改修はもっと進むはずだ。また古い家屋の住人は多くのケースで高齢者であることへの目配りも欠かせない」。

補助制度の普及には建築士の意識改善とともに、高齢者対策も必要となる。

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MONTHLY NEWS (建築知識2014年11月号)

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