岡田新一氏、逝去 最高裁判所庁舎などを設計
更新日2015年01月01日
10月27日、建築家の岡田新一氏(岡田新一設計事務所)が帰らぬ人となった。享年86歳。
岡田氏は、最高裁判所庁舎や警視庁本部庁舎・宮崎県立美術館など数多くの公共建築物を手がけた都市建築家。公共建築物の「密度の高いデザイン」「機能に即した合理性」「周辺環境と連繋した都市計画」を追求し、建築業界の発展に寄与した。
1957年に東京大学大学院修士課程修了後、鹿島建設株式会社に入社。米国エール大学建築芸術学部大学院を修了したのち、Skidmore Owings and Merrill設計事務所勤務、鹿島建設株式会社理事・設計部企画課長を経て、’69年に岡田新一設計事務所を設立した。事務所設立の契機となったのは、同年に行われた最高裁判所新庁舎の設計競技だ。丹下健三氏のチームを抑えて1等当選したことで注目を集めた。完成した最高裁判所新庁舎は’75年度の日本建築学会賞・建築業協会賞を受賞している。
このほか、’88年岡山市立オリエント美術館の第1回公共建築賞(文化施設部門)最優秀賞(建設大臣賞)をはじめ、宮崎県立美術館(恩賜賞・日本芸術院賞/ともに’96年)、中近東文化センター(BELCA賞ロングライフ部門/2003年)、’08年春の叙勲旭日中綬章など、多くの誉に輝き、都市計画などの分野で功績を収めた。
MONTHLY NEWS (建築知識2015年1月号)