電子認証による確認申請 国内で初めて受理
更新日2015年04月01日
2015年2月2日、住宅性能評価・建築確認事業を取り扱う住宅性能評価センターは、インターネットを通じて建築確認申請を受理、確認済み証を交付した。電子認証による確認申請として国内初の事例となる。今回申請された物件は4号建築で、東京都内の木造2階建て分譲住宅。
従来の確認申請では、申請手続きの最終段階ですべての必要書類を印刷し、それらに申請者と設計者が押印、ファイリングしたのち、確認検査機関に郵送あるいは持ち込みする必要があった。また、改正建築基準法の施行による確認審査の厳格化に伴い、整合性確認と図書保存の負担も大きくなっていたが、日本国内では電子署名の普及率の低さや、運用規定の曖昧さから、国土交通省や各検査機関も導入に踏み切れていなかった。
そこで同省は'14年5月に「建築確認手続きなどにおける電子申請の取扱いについて(技術的助言)」を公表。インターネットを利用した電子申請に関するガイドラインを示し、それに呼応するかたちで住宅性能評価センターをはじめとする各検査機関が電子認証を用いた建築確認に関する業務の認可を受けていた。
電子申請の主なメリットとして挙げられるのが、申請者・設計者、行政側が場所や時間に制限されることなく手続きを進められ、それに伴って確認済証受領までの期間も2~3日間短縮できる点。また、膨大な設計図書を保存するための空間も必要なくなる。さらに、BIM(Building InformationModeling)の技術開発と普及が進めば、設計に関して、より精密な情報を共有できるようになる。電子申請についてはすでに欧米やアジア諸国などで運用が進んでおり、特にシンガポールではすでに'04年から提出書類の電子申請を義務化している。
住宅性能評価センターでは、'13年度の交付実績約2万1,000件の4割に相当する約8,400件を電子申請に切り替えることを目標としている。
MONTHLY NEWS (建築知識2015年4月号)