川崎市の火災事故 全焼した2棟と同様の宿所が32棟見つかる

更新日2015年07月01日

5月18日に川崎市の簡易宿泊施設2棟が全焼した火災は、死者10名、重軽傷者18名の大きな被害を出した。焼失した2棟は2階建として川崎市へ届け出をおこなっていたが、実質的には3階建ての宿泊施設として営業していた。建築基準法では3階を超える階数の宿泊施設を木造で建設できない。川崎市はこの2棟に違法建築の疑いがあるとして、実態調査を行った。

また、今回の火災を受け、川崎市は市内にある同様の木造簡易宿泊施設49棟についても調査を開始した。その結果、問題が認められる建築物が32棟見つかった。市はこのうち1棟は合法的な建築であることが確認できたが、残りの31棟についてはまだ確定的な判断ができない段階だとして、調査を継続していく方針を示した。早ければ6月中を目途に可能な範囲で調査結果を公表する予定だという。

一方で、具体的な安全策や指導方針はほとんど決まっていない。現状では宿所の経営者に3階部分を使用しないように求めるといった対応を行っている。

MONTHLY NEWS (建築知識2015年7月号)

他のカテゴリの記事を読む