住宅遺産保存に向け、新法人設立
更新日2015年11月01日
国内の優れた住宅建築を後世に継ぎ渡すことを目的とした、一般財団法人「住宅遺産トラスト関西」が、関西の弁護士や建築家ら14人を中心に、9月29日、正式に設立された。さまざまな理由で維持管理が困難となり、取り壊しの危機に瀕した価値ある住宅を保存するために、建築家と弁護士が一体となって活用の道を探る。保護活動の対象となる住宅は定義せず、設計や年代や周辺地域とのかかわりなどを有識者が総合的に査定したうえで判断するという。活動はすでに始まっており、洋館3件と大正期の木造1件の案件が進行中だ。物件はそれぞれ神戸・大阪・京都にある。これらの古い住宅は展示物や鑑賞物として保存するのではなく、今の時代に「住まいとして活用すること」で社会的にその価値を認められることが大切だという。同法人は単独での活動だけでなく、全国の関係団体と協力しながら建築の保存も行っていく予定。10月3日には設立シンポジウムを開催。今後の活動に期待したい。
MONTHLY NEWS (建築知識2015年11月号)