既存住宅ストックの現状公表 将来に向けたストックの改善が課題

更新日2015年12月01日

国土交通省は、先日行われた第41回住宅宅地分科会において、既存住宅ストックの現状をまとめたデータを公表した。 このデータは、耐震性、バリアフリー、断熱性能の観点からまとめられている。バリアフリー・省エネともに優良である住宅は持ち家の戸建てで102万戸、共同住宅で34万戸。バリアフリー、省エネのいずれかを満たすのがそれぞれ577万戸、159万戸。そのいずれも満たさないのが1,024万戸、258万戸となった。また、昭和55年以前の建築はそれぞれ967万戸、96万戸で、それらを合わせたうちの約900万戸が耐震性なしのものである。

また借家では、バリアフリー、省エネともに満たすものが戸建てで3万戸、共同住宅で33万戸。バリアフリー、省エネいずれかを満たすのがそれぞれ50万戸、449万戸、いずれもみたさないのが93万戸、789万戸となった。昭和55年以前の建築は126万戸、308万戸である。

以上の状況から、将来に継承できる良質な住宅は限られている実状は明らかである。大半を占めているバリアフリー、省エネのいずれも満たさない建物群のリフォームによる性能向上によって、優良なストックへとつくり替えていく必要がある。また、昭和55年以前の建築については、建て替えなどによる対応が有効と考えられる。

また、単にストックの性能を改善するだけでなく、人生の段階ごとのニーズに合った住宅の提供についても課題を抱えていることが、分科会の委員から指摘されている。現状では、部屋や収納が必要な子育て世代において居住面積が十分に確保されておらず、逆に現役を退いた世代の人々で、余剰の面積を持っている状況がある。これらのギャップを解消することも住宅ストック活用上の問題である。

リフォーム、建て替え、住み替えにより、これらの性能と生活双方のニーズに応えるストックを増やしてゆく必要があるといえるのではないか。

MONTHLY NEWS (建築知識2015年12月号)

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