建築基準法改正により定期調査・検査が政令で一律規定に
更新日2016年03月01日
国土交通省は2016年1月12日、定期報告や防火・避難などに関する規制を見直し、建築基準法を改正することを閣議決定した。同月15日に公布され、6月1日から施行される。
定期報告の対象建築物はこれまで各特定行政庁が指定していたが、今回の改正により政令で一律に規定されることになった。特定建築物[表]のほか、エレベータ・エスカレータ・小荷物専用昇降機など令129条の3の1項に記載される昇降機、床面積合計が100㎡を超える特殊建築物に設置する防火設備が定期報告の対象となる。
防火・避難の規定では、建物高さ31m以下の部分にある3階以上の階には従来、非常用進入口が必要であった。今後、スタジアムなどの建築物内で吹抜けとなっている部分など、一定規模以上の空間をもつ建築物には非常用進入口の設置が免除となる。
そのほか、伝統的工法による建築を円滑にするため、地震による床組の変形防止方法などについての基準を整備、建築確認申請時の審査が省略される型式適合認定制度に新たな型式を導入[※1]、既存不適格建築物と地下鉄駅などを接続する際に増改築や改修を行うことができる特例の対象に建築物に高さ60mを超える超高層建築物を追加、などが改められた。
表 定期報告が必要な特定建築物※(法16条1項)
※避難階以外の階に上記の用途がなく、火災時に避難上著しい支障が生ずるおそれの少ないものとして
国土交通大臣が定める場合は例外とする
国土交通大臣が定める場合は例外とする