第41回プリツカー賞、JIA日本建築大賞2015の受賞者が決定

更新日2016年03月01日

今年は年始早々の1月13日にプリツカー賞、同月24日にJIA日本建築大賞2015と、国内外の大きな建築賞の受賞者が相次いで発表され、華やかな幕開けとなった。

「建築界最高の賞」として名高い第41回のプリツカー賞を受賞したのは、チリ出身、1967年生まれのアレハンドロ・アラヴェナ氏。彼が代表を務める設計集団「ELEMENTAL」は、厳しい社会問題を良い方向に導くために、政策や金融、世界情勢、環境などあらゆる条件を考慮に入れた提案をはじめ、建築を通じてさまざまな活動を積極的に行っている。チリ大地震後の復興計画や、貧困層向けの公共住宅(ソーシャル・ハウジング)の設計など、社会貢献度の高いプロジェクトが大きく評価され、今回の受賞となった。

南米出身の建築家としては、ルイス・バラガン、オスカー・ニーマイヤー、パウロ・メンデス・ダ・ローシャ各氏に続く4人目の受賞者となった。

注目のJIA日本建築大賞には、2015年4月24日に開館した「大分県立美術館(OPAM)」(坂茂氏、平賀信孝氏、菅井啓太氏/坂茂建築設計)が選出された。

大分県立美術館は13,595㎡の広大な敷地に建てられたS造一部RC造、地下1階地上4階建ての建物で、大分伝統の竹工芸をイメージした斬新な外観が特徴的。全面ガラス張りの開放的なアトリウムは、道路に面した南側のファサードが全面開放可能なガラス水平折り戸になっており、開放すると庇状になって人々が自由に行き来できるパブリックスペースに変わる。アトリウム内にはミュージアムショップやカフェなど、楽しみやくつろぎを演出する空間も併設されており、「市民が日常的に集うことができる、オープンな公共建築」を実現した点が高い評価を受けた。

同時に発表されたJIA優秀建築賞は、「空の森クリニック」(手塚貴晴氏、手塚由比氏/手塚建築研究所)、「樹林の家」(本多友常氏/摂南大学理工学部教授)の2作品がともに受賞した。


他のカテゴリの記事を読む