基礎杭の工事監理ガイドライン 国交省が公表

更新日2016年04月01日

国土交通省は2016年2月1日に「基礎ぐい工事における工事監理ガイドライン(案)」を公表した。これは杭工事データ偽装問題の再発防止策として、同省の「基礎ぐい工事問題に関する対策委員会」(委員長:深尾精一・首都大学東京名誉教授)が’15年12月25日にまとめた中間報告を受けてのもの。

本ガイドライン案の目的は、基礎杭工事が設計図書どおりに施工されるよう、工事監理者が基礎杭工事の工事監理を行うにあたって留意すべき点を示すこと。基礎杭工事における監理の合理的方法について具体的な内容・考え方を示すものであるため、’09年に作成した「工事監理ガイドライン」と併せて活用することを想定している。

対象となる工事は、杭先端部での支持力を得るために掘削孔内に既製コンクリート杭を沈設する工法を採用した基礎杭工事だが、そのほかの基礎杭工事においても適宜参考とすることが望ましいとしている。ガイドライン案では、工事監理者の役割を明記するほか、工事監理方針の決定にあたって地盤条件や施工計画などを把握することや、工事監理の実施方法については原則として試験杭の施工時に工事監理者が立ち会うことなどの対応が必要だと示した。施工に立ち会わない杭工事については、施工者の作成する施工記録などの書類で適正に施工されているかを確認する。

支持層の位置の違いが現場で判明するなど、当初の計画どおりに施工することが妥当ではない状況が発生した場合は、建築主に報告したり、設計者や工事施工者、工事監理者などの関係者間で必要に応じた対応策を協議したりする。また、工事監理の方法やその結果について、工事監理者は適切に記録し、建築主から求めがあった場合には工事監理の状況の記録を提出する。

’16年2月27日まで募集されていたパブリックコメントで出た意見を整理した後、正式に策定される。


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