神奈川県立美術館鎌倉 65年の歴史に幕を閉じる
更新日2016年04月01日
神奈川県鎌倉市にある神奈川県立美術館鎌倉(通称鎌倉館)が、2016年1月31日に一般公開を終え、3月末に閉館する。同館最後の企画展「鎌倉から始まった。PART31951~1965」には、1月以降1日平均1,000人以上の来場者が詰めかけ、親しんだ建物との別れを惜しんだ。
鶴岡八幡宮の境内に建つ鎌倉館は、日本初の公立美術館としても知られている。板倉準三設計の直線的な建物は、日本を代表するモダニズム建築のひとつといえるだろう。
鶴岡八幡宮は国史跡に指定されており、境内地内では原則として大規模な改修工事はできない。同館は耐震基準を満たしておらず、老朽化も進んでいるため、当初は取り壊しが予定されていたが、日本建築学会が提出した「建物の存続を求める要望書」や県民の声を受けて、県教委が耐震調査を実施。その結果、本館棟は今後も保存し、鶴岡八幡宮の管理の下で文化施設として活用する方針が固まった。耐震工事費用は県と八幡宮側で経費負担を協議する。