2016年度ZEH支援事業の概要案を経産省が発表 ZEHの定義が明確に

更新日2016年05月01日

経済産業省は2016年3月18日、’16年度に実施予定の「住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業費補助金ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業」の概要案を発表した。基準を満たす住宅に対して1戸当たり125万円(定額)、寒冷地1、2地域内で高断熱外皮を使用し、UA値0.25W/㎡・K以下とする寒冷地特別強化外皮仕様の場合には150万円(定額)を補助。さらに蓄電システムも導入すれば、蓄電容量1kWh当たり5万円(50万円または蓄電システムの価格の1/3のいずれか低い金額を上限)も加算される予定。

ZEHとは断熱・省エネ性能を上げ、太陽光発電などでエネルギーをつくることにより、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)との収支をゼロにすることを目標とする住宅のこと。政府は’14年に発表した「エネルギー基本計画」において、「標準的な新築住宅は’20年までに、’30年までには新築住宅の平均で、ZEHの実現を目指す」としているが、ZEHの定義は実は明確でなかった。今回の事業案で、明確な定義や統一的な評価方法が示された。さらに、太陽光発電パネルを設置するための屋根面積が限られるなどによりZEHの実現が困難なケースを想定し、ZEHに準ずる仕様NearlyZEH(ニアリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を新たに設け、寒冷地特別強化外皮仕様でNearlyZEHとした場合に限り、1戸当たり125万円(定額)を補助することも検討している。

この補助金は、経産省が策定した「ZEHロードマップ」の条件を満たし、適合する設備やHEMSを導入し、当事業の実施団体である環境共創イニシチアブに登録した「ZEHビルダー」が設計または施工(既存改修を含む)を行う住宅が対象だ。ZEHビルダーの登録条件は、’20年度における年間建築棟数または改修件数のうち、ZEHの割合が50%以上と定めたうえで、そこに至る各年度の目標値を設定・公表することなど、とされている。詳細な公募要領は、環境共創イニシチアブが4月以降に公開する予定。


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