ERIソリューションが業界初となるドローン導入へ

更新日2016年07月01日

建築物の評価・格付け・検査を専門的に行う第三者機関・ERIソリューションは2016年7月1日、既存建築物の調査などにドローンを活用するための実証実験として、埼玉県内の病院で外壁タイルの浮きやクラックの状況調査を行った。

実験に使用したドローンは、ロボットやドローンの開発等を事業内容とするスカイロボットとERIが共同で開発したもの。4K動画を撮影できるカメラや、赤外線を感知するカメラなどを搭載したドローンで、既存建築を撮影・記録することができる。調査の方法は、ドローンのカメラを通して映し出される映像を、モニターで見ながら現場でチェックをするというもの。動画として撮影された記録をキャプチャーして静止画像化し、そのデータを元にして、さらに詳しく解析することも可能だ。

これまで、建築物の外壁の調査をするためには、足場の設置やゴンドラ・ブランコ・高所作業車などが必要だったが、設置費用や移動の制限など問題点も多かった。実用化されれば、それらの大掛かりな準備が不要になり、大幅なコストの削減と工期の短縮が期待される。外壁のみならず、戸建住宅の屋根の劣化状況や雨漏り検査なども迅速かつ安全に実施することができる。

新築の建築物に対する実用化への道は未知数だが、既存建築物の建築基準法適合状況調査や、既存住宅の住宅性能評価調査での活用が期待される。今回の実験の主体はERIソリューションだが、今後はERIグループ全体でドローンを活用していく方針である。



ドローンが、外壁のクラックを撮影している様子。小型のタイプでも最高200メートルの上昇が可能

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