熊本地震の被災庁舎を含む13件の近代建築物をドコモモジャパンが選定

更新日2016年09月01日

近代建築物の記録調査や保存活動に取り組んでいる国際学術組織「DOCOMOMO Japan」(ドコモモジャパン)は、2015年度「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」として、新たに13件の建築物を選定した。この選定は1998年から始まり、現在までに全国で197件の近代建築をラインアップ。そのなかには、東京中央郵便局など、選定後に解体された建築物も含まれている。

今回の選定の特徴の1つとして、登録文化財などの指定を受けておらず、老朽化や耐震性の不足などの理由で解体の危機が迫る、“戦前に建てられた建築物”を重点的に選んだことが挙げられる。たとえば、2017年度に解体が決定している「熊本地方貯金支局」(現・熊本市役所花畑町別館)は、1936年竣工。今年4月の熊本地震で被災したが、幸いにも被害は軽微で済んだ。建築物の存続を一般市民や行政に向けて改めて訴えるべく、都市部のみならず、このような地方の建築物を意図的に選定した。


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