民間建設工事の品質確保へ 指針策定

更新日2016年09月01日

国土交通省は、2016年7月14日、民間建設工事の適正な品質を確保するための指針を策定した。指針は、施工上のリスクとなる12項目[表]を定め、工事の請負契約に先立って受発注者間で情報を共有し、事前協議することを促すもの。たとえば、支持地盤深度では、施工後に杭長の再設計が必要になった場合の追加費用や工期延長の負担の考え方について、事前協議をすることを定めた。

同指針の主な対象は民間会社が発注する建築工事だが、土木工事や「施工上のリスク」[※]が想定される改修、解体工事も対象に含まれる。


表 民間建設工事の適正な品質を確保するための協議項目リスト
Ⅰ地中関連 ①支持地盤の深度、軟弱地盤の圧密沈下 ②地下水位 ③地下埋設物、埋蔵文化財 ④土壌汚染産業廃棄物
Ⅱ設計関連 ⑤設計図書 ⑥設計間の整合
Ⅲ資材関連 ⑦資材納入
Ⅳ周辺環境 ⑧近隣対応 ⑨日照阻害、風害、電波障害 ⑩騒音・振動
Ⅴ天災 ⑪地震、台風、洪水など
Ⅵそのほか ⑫法定手続き
※工事請負契約締結の時点では、その影響を正確には規定できないような事由によって費用や工期の負担が発生する可能性

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