杭打ち工事などの施工不良を防止するため国土交通省がガイドラインを公表
更新日2016年09月01日
2015年10月に発覚した、横浜市都筑区の大型マンションが基礎杭の不適切な施工により傾いた問題。全4棟が建替えになった場合、解体・建設費用のほか、住民の引越しや仮住まいの家賃、1世帯当たり300万円の慰謝料などの総額が約400億円に上ることが分かった。建替えは今年9月に行われる管理組合の臨時総会で正式に決まる見通しだ。
この問題を受け、国土交通省は再発防止策として、7月14日、建築工事を円滑に進めるために工事発注者と受注者が着工前に協議すべき内容をまとめたガイドラインを公表。施工上のリスクに関する基本的な考え方や協議項目などが示されている。事前協議の項目として、①地中関連(支持地盤深度・地下水位・地下埋設物・土壌汚染)、②設計関連(設計図書との調整・設計間の整合)、③資材関連、④周辺環境(近隣対応・日照阻害・騒音振動など)、⑤天災(地震・台風など)、⑥その他(法定手続き)が記載され、特にやり直しが難しい杭や地盤調査など地中関連の工事前の協議項目が重点的に盛り込まれている。