熊本地震の犠牲者発生家屋新耐震基準の住宅は34箇所中2箇所

更新日2016年11月01日

2016年9月20日に静岡県地震防災センターで開催された日本自然災害学会において、静岡大学防災総合センターの牛山素行教授らは、今年の4月14日以降に発生した一連の熊本地震によって直接死亡した50名を対象に、被災の特徴の調査結果を発表した。

50名のうち家屋の倒壊が原因で犠牲となったのは35箇所38名で、そのうち34箇所37名が住宅などの屋内で被災している。倒壊した34箇所はいずれも木造で、書類記録や現地調査、空中写真などによって建物の建築時期を推定したところ、ほぼ確実に、1981年の建築基準法改正後に建てられた住宅は2箇所のみという結果になったと同教授は報告した。’95年の阪神・淡路大震災において、’81年以前の建物の被害が深刻だったことはよく知られている。今回の熊本地震における犠牲者発生家屋と築年の関係をみると、新耐震基準の耐震補強に一定の効果があったと考えられる。


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