建設業従事者の休日・賃金など働き方改革を議論
第3回 建設産業政策会議 開催
更新日2017年03月01日
国土交通省は2017年1月26日、「第3回建設産業政策会議」を開催し、建設業における働き方改革として、技能労働者の休日の確保や、長時間労働の是正、安定雇用などを促進する方向性を示した。
建設産業政策会議は、劇的な進展を遂げるAI、IoTなどのイノベーション、確実に到来する労働力人口の減少といった事態を正面から受け止めながら、建設産業の将来展望や建設業関連制度の基本的な枠組みを検討する場として昨年7月に設置、同10月に第1回会議が開催された。
今回の会議では、国交省の担当者が建設業従事者の労働時間の実態などについて報告。’15年度の建設業の年間の総労働時間は、平均で1人当たり2,056時間と、調査した16の産業の平均と比べて300時間あまり多かった。また、国交省が約1,500人を対象に行ったアンケートでは、「週2日の休みが取れている」「4週間で8日間の休みが取れている」と回答した人は合わせて15%程度にすぎず、休日の確保も不十分なままの実情が明らかになった。
これを受けて同会議では、総労働時間の削減目標の設定や週休2日制の本格導入を検討し、今年6月ごろまでに具体的な改善策を取りまとめることにしている。
技術者の総労働時間が長く、休みが取れない理由として、短い工期に集中して作業を進めなければならないことが挙げられる。また、1日に働いた時間を累計して1カ月分の給料が決まる「日給制」を採用している会社が多く、労働者が賃金を確保するために長時間働く傾向にあることも指摘されている。
働き方改革にはまず休日と賃金(給与水準)の改善が重要で、同会議では正社員化、および日給制から月給制への移行も促進したいと考えている。
そのほかにも生産性の向上や、地方の建設業の発展の方向性、企業評価、法制度などについても議論を進めていく予定だ。