「大森西の家」設計:光風舎一級建築士事務所
更新日2017年04月01日
2017年2月17日~18日、15坪の敷地に建つ木造3階建ての住宅「大森西の家」の内覧会が開催された。
建築面積はなんと8.9坪。「小さな家でも、最大限広く感じられるよう設計しました。広く感じさせるポイントは、プランニングと視線の抜けです」と言うのは、光風舎の吉原健一氏。眺望を確保しやすい3階をLDKとし、視線を抜くための開口部を随所に設けている。また、3階にLDKを設ければ斜線制限なりの勾配屋根いっぱいまで天井高を確保できるため、実際の面積以上に空間が広く感じられる。逆に天井高を高くする必要のないキッチンの上はロフトにして、使える床の面積を増やした[※]。キッチンカウンターの上部や壁のニッチに設けたシンプルな収納も、視線の抜けを妨げないための工夫である。「狭小地でも設計の工夫次第で、実際の面積以上に広く空間を感じさせることができるのが設計の醍醐味です」(吉原氏)。本事例はその好例といえるだろう。
※ロフトの床面は直下階の1/2までで、天井高は1.4mまで。ロフトがある階の床面積の1/2以下である場合、ロフトの床面積は建築基準法上の床面積に算定されない[平12建告1351号・平12住指発682号]左:斜線勾配に沿って設けた屋根は、仕上げを外壁と同じガルバリウム鋼板とし、洗練された印象に仕上げた
中:3階のダイニングからキッチンとロフトを見る。視線の抜けをつくるため、キッチンの立上りはリビングからの視線を遮りたい洗い場部分のみに設けた
右:視線の抜けをつくるため設けたトップライト