リオタのディテール流儀 ― 関本竜太
「出窓にするといろんなことが解決する」(2ページ目)

更新日2017年07月31日

その2「網戸やスクリーンを隠す」

[写真:新澤一平]

 既製品のアルミサッシにも、最近は大型の辷り出し窓の製品があり、1,165~1,195mmサイズのスクエア窓が設けられるようになった[※]。しかし、開放感のある窓が実現したとしても、思わぬ落とし穴となるのが竣工直前に取り付けられる網戸やロールスクリーンなどの存在だ。物理的にも“かさ”の大きなそれらの存在を隠す手段として、出窓は非常に有効である。

図2 窓廻りをすっきり見せる

応用編「窓以外の機能を付加する」

 出窓は住宅の機能を補完する役割も果たす。たとえばキッチンに食洗機を設けない場合、水切かごなどを別途置くことがある。狭いキッチンや通常の窓台では置ききれないものを置く場合でも、出窓を使えばそのスペースを確保することができる。また窓先にパイプを設けて、日当りの良いリビングの出窓を物干しコーナーにすることもできる。いずれも、狭小地などで活用できる手法である。

図3 出窓を活用する
関本 竜太
P r o f i l e
関本 竜太
[せきもと りょうた]

1971年埼玉県生まれ。’94年日本大学理工学部建築学科を卒業し、’99年までエーディーネットワーク建築研究所に勤務。2000~’01年フィンランドのヘルシンキ工科大学(現アールト大学)に留学。帰国後’02年にリオタデザイン設立

人物イラスト:オオノマサフミ/イラスト:堀野千恵子
建築知識研究所

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