相次ぐ敷地転売による敷地の2重使用問題

更新日2017年08月01日

東京都港区に建つ大規模マンションが敷地の2重使用により違法建築となる可能性があるとして、住民が新築マンションの建築確認取り消しを東京都建築審査会に求めている。1981(昭和56)年に建てられた地上14階・地下2階建てマンションは、約3,550㎡の敷地として建築確認を受けていた。しかし、時間貸し駐車場などに利用していた約1,970㎡の土地を2016年3月にJR九州が取得し、新規にマンションを計画、指定確認検査機関に申請のうえ、建築着工した。完成すると既存マンションが建ぺい率・容積率オーバーとなり違法建築[※1]となる。同敷地では過去にも同様の問題で、新規住宅の建築禁止を求める訴訟が起こされ、そのときは住民側が敗訴している。

建築基準法に敷地の2重使用の禁止規定がなく、敷地の所有関係に関しては審査の対象外だが、同様の問題は今年4月にも杉並区内のマンションで発生している[※2]。

※1 建築基準法9条により除却、使用禁止などの是正措置命令の対象となる
※2 この件でも東京地裁の判決では、新規住宅用地を販売した不動産業者に対し既存マンション住民への慰謝料の支払いを命じたが、新規住宅の撤去請求は退けられている


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