リオタのディテール流儀 ― 関本竜太
「木製建具で軽やかな空間を作る」(2ページ目)

更新日2017年08月31日

その2「玄関扉はガラスを組み合わせる」

[写真:新澤一平] [写真:新澤一平]

木製建具のメリットはその素材感に加え、枠にガラスを組み合わせるなどの設計の自由度の高さもある。玄関は最小限の寸法でつくられることも多く、収納の要望も多いため、採光用の窓がつくりにくい。そこで、玄関扉には可能な限りガラスを組み合わせる。プライバシー上の工夫や建築主の理解が得られれば、ガラスは透明にすると来客の顔が見え、狭い玄関に広がりを与えることもできる。

図2 玄関に自然採光を取り入れる

その3「内部建具は引込みにする」

[写真:新澤一平]

 引戸のよさは開け放しにできる点にある。空間を常に開け放ち、必要に応じて仕切るという考えは日本ならではのものであろう。そんな引戸は存在感を消すべく、なるべく戸袋を設けて引込み戸としたい。引込み戸の場合、戸袋側の枠を25mmほどずらして吊り込み、顔を出した戸先部に手をかけて閉めると具合がよい。金物は戸車や吊レールを、用途や使い勝手に応じて使い分ける。

図3 引戸の存在感を消す
関本 竜太
P r o f i l e
関本 竜太
[せきもと りょうた]

1971年埼玉県生まれ。’94年日本大学理工学部建築学科を卒業し、’99年までエーディーネットワーク建築研究所に勤務。2000~’01年フィンランドのヘルシンキ工科大学(現アールト大学)に留学。帰国後’02年にリオタデザイン設立

人物イラスト:オオノマサフミ/イラスト:堀野千恵子
建築知識研究所

この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインするとお読みいただけます。

新規会員登録
会員ログイン

他のカテゴリの記事を読む