リオタのディテール流儀 ― 関本竜太
「家族間のコミュニケーションと子どもの空間を考える」(2ページ目)
更新日2017年12月28日
その2「リビング・ダイニングの中のスタディコーナー」
紫陽花の家[写真:新澤一平]
「その1」とは別にLDKにスタディコーナーを設けた事例。持込みのテーブルなどを使用する場合は、こちらのほうが一般的かもしれない。子どもは小さいうちは個室よりも、親のそばに居たいと願うもの。スタディコーナーをキッチンの並びにすれば、親の目も届きやすい。問題となるのはテレビなどとの距離感。本事例では、リビング側にフレキシブルに開放できる造作本棚を設けている。
その3「子供室の設(しつら)えは最小限に」
西荻の家[写真: 繁田諭]
勉強や遊びの空間を別々に分ければ、子供室は詰まるところ「ベッドがあればよい」状態となる。それに加えて、最小限の着替えや趣味の物、そして個室でも勉強できるように小さな机を1つだけ置ければ、子どもの空間としては過不足ない。広さで言えば、4畳から4.5畳というのが目安となる。また、子どもの成長による嗜好の変化にも対応できるつくりとしたいところだ。
- P r o f i l e
- 関本 竜太
- [せきもと りょうた]
1971年埼玉県生まれ。’94年日本大学理工学部建築学科を卒業し、’99年までエーディーネットワーク建築研究所に勤務。2000~’01年フィンランドのヘルシンキ工科大学(現アールト大学)に留学。帰国後’02年にリオタデザイン設立
人物イラスト:オオノマサフミ/イラスト:堀野千恵子