家づくりの楽しさに顧客をまきこんで成約率とコストパフォーマンスが
大幅に向上。リノベーションにも、BIM×VR。(2ページ目)

更新日2018年10月31日

作図の効率化によって、プラン考案に集中できる
小規模案件こそ使わない手はない

建築知識研究所― 顧客との合意形成が早いというのは、戸建て案件の紹介記事でもよく登場したメリットです。やはりリノベーションでも、スピード感は重要なのですね。

熱田― むしろリノベーションなのにBIMとVRを使わずしてどうする、というくらいの気持ちが私自身にはあります。
私は以前リフォーム専門の会社にいて、2Dソフトで設計をしていましたが、とにかく作図に時間をとられていました。細かい案件が多い上、修正が入るたびにそれをすべての図面に反映させて、漏れがないか、整合性がとれているかをチェックしなくてはいけません。それはもはや設計力やセンスではなく、整理整頓能力の問題です。

これまでの記事でも訴えていますが「Revit」のもっとも端的な魅力は、データがすべて連動していることだと思います。そして整合性がとれているかが目視で即座に分かることです。スピーディに仕事を進めるのに最高のツールとして「Revit」があるのだから、小規模案件ほど使わない手はないと私は思います。

業者間やり取りでも大きな成果
納得・決定の早さは現場にも大きなメリット

熱田― 「REDESIGN」では、業者様との空間の共有にもRevitのデータを使うケースが多々あります。施工される業者様に設計側の意図を伝える場合などです。例えば、吹抜けと階段まわりなど2次元の図面では伝えづらい場合に3次元モデルで説明します。ここでのポイントは決して完璧につくりこんだモデルでなくてもよいことです。Revitは3次元設計ですので追加の作業負担なしで、気になる空間を切り出せます。例えそれがホワイトボリュームでもプロジェクトを進めるのに必要な設計側の意図を十分伝えることができます。ここでは自社のワークフローにあったRevitの特長を生かしたリノベーション・テンプレートをきちんと作成し、活用していくことも重要だと思います。

そして、もうひとつ、私は施工管理の経験もあるので余計に痛感しているのかもしれませんが、設計士の効率が高まり、お客様の合意を得やすいということは、現場のトラブルも減るということです。
お客様の疑問をあいまいにしたままスタートした現場で、工程が進んでしまってから修正が入る。施工中に図面上の破綻がみつかる。そういった、後工程に入ってからのミスや工程の増加は、工数を増やし、スケジュールを遅らせていきます。

手間と時間は当然コストに直結していますから、そういった不安をあらかじめ防ぐことができる「Revit」なら、よりコストパフォーマンスの高い、お客様にご満足いただける仕事ができると思います。

建築知識研究所― 契約前から現場まで、随所で効率アップを図ることで、実績を蓄積していくことができるわけですね。最後に、今後の「REDESIGN」の目標を教えていただけますか?

熱田- 今後の目標としては、現在顧客の多くを占める23区から、1都3県へのエリア拡大を目指しています。まだまだ戸建て部門と較べると、認知度の低いフリーダムのリノベーションですが、「Revit」を武器に、会社の3本柱のひとつとなるという期待に応えたいと意気込んでいます。

P r o f i l e

リデザイン部部長 熱田大作一級建築士

フリーダムアーキテクツデザイン株式会社

完全独立系の建築設計事務所では全国NO.1。2017年度の住宅設計実績は400棟を超える。世界にたった一つの家作りをモットーに、独自性の高い注文住宅を手掛ける。2016年からはリノベーションもスタート。

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