BIM×組織 住宅ワークフロー徹底解説
BIMによる確認申請が約50棟突破!(2ページ目)

更新日2019年04月15日

2.BIM確認申請を住宅ワークフローの肝に

A&T社では、BIM化を計画した時に全棟原則BIM確認申請を行うことをまず決定した。確認申請の情報は、すでにある程度共通ルールが存在する。また、確認申請の内容は最低限建物を建てるためには必要な情報であり、必ずクリアしなければならない情報である。その前の工程、後の工程でどうBIMの情報をどうつなげていくかを考えることで、現場で違和感なく、BIMの効果を感じられるBIMワークフローの構築ができるだろう。
A&T社では、このBIM確認申請がワークフローの肝となり現在BIM化の流れは定着している。そして、日々微調整しながら進化を続けている。

3.大原則はフロントローディング

初期に負荷をかけ、適切にBIMワークフローを運用することにより、設計品質を高め、トータルの工数も削減できるが、適切にデータ連携(図面が2次元と重複していたり、データがいくつもわかれてしまう等)やクリティカルパスを考慮したBIMワークフローを運用しないと、前段階の山に加え、従来の設計と同じように実施設計の時に山が再度できたり、その他の部分で余計な作業が発生し、工数は減るどころか一気に膨れ上がるので注意したい。
「フロントローディング」の大原則を常に意識し、各部署間で連携しながら柔軟にBIM化を進めたい。

4.Revitとその他のCADとの切り分けを明確に

→BIMを組織的に行うためのルール
BIM化を行うことは単なる2次元CADからの置き換えでなく、組織の戦略そのものに関わるためトップの理解は必須である。そして、その戦略を実行するためにルール化は必須である。
特にここでは、A&T社が行っているどの図面をRevit でアウトプットし、どの図面を従来のCADで対応するかといった図面の切り分け例を紹介する。
この切り分けを明確にすることが、現場の負荷を減らし、効率的なBIMワークフローを実践することにつながる。

Revitとその他のCADとの切り分けを明確にルール化

また、フリーダムグループでは、Revitならではのクラウド環境や、グローバルなソフトの特性をいかし海外拠点を新しく設置し、日常業務に忙しいスタッフのBIM化のサポートを行っている。図面の切り分けを行うことで、よりスムーズにそのような連携も可能になる。

5.設計段階の可視化は手間をかけずに

一つのBIMデータでワークフローをまわすことで、そのデータを活用し、あまり手間をかけずにわかりやすくお客様に設計内容を伝えることができる(3Dモデル、パース、パノラマ、動画、VR等)。それを用いて最も有効な決定をお客様と共同で行うことが可能になる。当然、設計段階での活用も可能である。
近年Revit周辺のビジュアライゼーションの進化はすさまじい。A&T社では、この進化とともに打ち合わせのアプローチが変わり、今までの経験を土台にビジュアライゼーションをうまく使いながら創意工夫する文化がうまれつつある。

BIMワークフローは、Revitを購入したからといってすぐ実現できるものではない。いきなりすべてをBIM化すると現場の苦労やコストも大きい。まずできるところから、誰がRevitを使うかを整理し、すでに公開されている一般的なツールでBIM化をすれば導入コストも抑えられる。

大塚商会社はRevitのライセンス販売のみならず、BIM導入時の会社に適切なRevitライセンスのアドバイスや様々な運用後のサービス等総合的なサポート体制を構築している。また、そのサポート実績も業界では群を抜いている。
もし、BIM化を検討されている方は一度相談されてはいかがだろうか。

株式会社大塚商会連絡先:03‐3514‐7815
CADプロモーション部建設プロモーション課
営業時間 9:00~17:30(土日祝日/当社休業日を除く)
建築知識研究所BIMライブラリー https://freedomlab.jp/bimlibrary
※住宅BIMに必要な各種コンテンツがダウンロード可能

P r o f i l e

フリーダムアーキテクツデザイン株式会社

事業本部 関東設計監理部 BIM設計室室長
今井一雄 一級建築士

他のカテゴリの記事を読む