超実践版 BIMを実現するRevit導入マニュアル(2ページ目)
更新日2019年08月30日
そして、3Dモデルを整え、白モデルにしてから自由にファサードや内部空間をデザインしてみよう。
ポイント4:CADの「線と文字」とBIMの「モデルとプロパティ」の違いを理解 (初級編→中級編)
次に中級編マニュアル「オートデスク社木造建築設計チュートリアル」に進み、もう1つモデルをつくってみよう。
Revitでのデータ作成では、“ここを動かすとどこにどう影響を与えるか”を理解してからデータをいじらないとデータをぐちゃぐちゃにしてしまう。今までの2 次元CADの線と文字とは大きく違うことを実際に確認しよう。
→ここをいじるとここが動く、こんな表示になることを意識しながら進めることで動きのあるRevitの特徴が理解できる。ここをいじると他のところにどう影響するかを理解することが1つの3Dモデルから様々な図面を生成しながらの業務には必須である。
初級編と中級編のマニュアルを通し、2つのモデルを最後までつくりあげることで基本的なRevitの使い方は理解できているはずだ。
オートデスク社の木造建築設計チュートリアル(中級編):一般図の作成
※ダウンロードには建築知識研究所の会員登録が必要
ここまでくれば弊社の場合、大抵の方は大塚商会と契約している電話と画面を見ながらのRevitリモートサポート※を活用しながら自らのプロジェクトを進められるようになっている。
※Revitリモートサポートとは
大塚商会が提供してる「たよれーる 保守サポート」
電話とPC画面を見ながらリモートでRevit操作のサポートを受けられるサービス。多くの問い合わせの中から常に最新の情報をアップデートし、客観的なRevitの操作方法を教えてくれる。
ポイント5:Revitのカスタマイズ性や拡張性を確認
一通りマニュアルが終わったら、自分の好きな家具等ファミリやマテリアルを自由につくり自分のスタイルの表現を確認していこう。
→公開されている家具等のファミリやマテリアルを作成し、自分の思い通りのフォルムや空間をつくりながら、Revitのカスタマイズ性を確認してみよう。これが思い通りにできるようになることがモデリングの1つのゴールである。
☆ここでのモデリングは全てのBIMデータを中心とした連携のベースとなる。ビジュアライゼーションツールと連携すれば、光の入り方のシミュレーションも容易に可能だ。
以上、フリーダムでのRevit導入研修の内容を説明してきた。
最後にこのRevit導入研修の内容をベースに、自社のBIM環境構築までのヒントを紹介したい。
自社での住宅BIM環境構築までのヒント
Revit環境構築までの一つのアプローチを紹介
Step1 Revitに慣れる
→いきなりBIMの難しい概念から入るのではなく、まず簡単なマニュアルでRevitに慣れる。題材は住宅が適している。
☆フリーダム初級編マニュアルの活用「基本プラン作成マニュアル」、「3D作成マニュアル」
Step2 基本的使い方をマスター
→少しじっくりとRevitの基本的な使い方をマスターする。
☆本記事で紹介した中級編マニュアル「オートデスク社木造建築設計チュートリアル」
BIMの概念を深める書籍「Autodesk Revit公式トレーニングガイド」や海外の「Residential Design Using Autodesk Revit 2020」などもおすすめである。
Step3 自社の業務フローにあったテンプレートをつくり運用する
→自社の業務フローにあったテンプレートをつくり、BIMワークフローを運用する。
☆一から全てをつくるのではなく、すでに公開されているテンプレートや情報を活用しテンプレートをつくろう。また、すでにノウハウを持っている大塚商会などに作成を依頼するのも一つの方法である。
参考テンプレート:AUTODESK APP STOREで確認申請まで可能な無料公開されている住宅用テンプレート
その他、建築知識研究所BIMライブラリー https://freedomlab.jp/bimlibrary では、今回のマニュアルやテンプレートの他にRevitの理解をより深める為の動画など住宅BIMに必要な各種コンテンツがダウンロード可能となっているので是非参考いただきたい。
CADプロモーション部建設プロモーション課
営業時間 9:00~17:30(土日祝日/当社休業日を除く)
P r o f i l e
事業本部 関東設計監理部 BIM設計室室長
今井一雄 一級建築士