BIM確認申請約100棟突破!!
その成果と今後の展望(2ページ目)

更新日2020年01月27日

3. 社外と連携しながらBIM運用を加速する

<社外との視点:BIMワークフローを社外との連携で構築、アップデートさせる>
BIM確認申請は、確認申請の方法を従来の紙申請から2014年ごろからはじまっている電子申請の仕組みに、BIMのデータを組み合わせることによって実現している。この仕組みも日々検討されより効率的で行いやすい環境になってきている。例えば、2016年の国内初のBIM確認申請の申請時に工事届や委任状の原本は手続き上郵送していたが、現在は電子申請のクラウド上で原本を郵送せず添付するのみで確認済証の交付まで行えるようになっている。これはさまざまな現場からの声により改善された一つの例と言えるだろう。
今後も検査機関や関係各所と連携しながらよりよい仕組みにしていくことが求められる。

また、BIM確認申請において4号建築物から木造3階建てに展開するには構造設計事務所との連携が必要になる。フリーダムでは、3階建ての案件は、構造設計事務所からも検査機関のクラウド申請システムにデータをアップロードできるようにしたり、電子署名をできる環境を整え、共同で作業を進めている。

図は、2017年12月に4号建築物の仕組みを展開し、国内初の木造3階建て住宅の確認済証が交付された時のデータ連携例である。
BIM確認申請においてもクラウドなど様々な仕組みの検証を社外と連携しながら行っている。

BIMのテクノロジーの進化に素早く対応するために

BIMに関わるテクノロジーの進化はすさまじく、業界の動きや技術の方向性、そして、その技術の社内への導入含めて企業単体では十分に対応していくことは至難の業だ。
そのテクノロジーの進化への対応としてフリーダムが提供を受けている具体的サービスの代表例を紹介する。オートデスク社のプラチナパートナーである株式会社大塚商会(以下、大塚商会)からのRevitの導入時からのサポートである。新しい情報は圧倒的にソフトの提供、販売側が持っている。情報を受け取り、取り入れるか素早く判断するのが、進化に対応する一つの方法である。

フリーダムが受けている大塚商会のサポート内容一覧

1BIMを実現するソフトの購入
(最適なソフトやライセンス形態の選択と購入)

最適なRevitライセンス数、運用形態、アドイン購入等のアドバイスを受けている。

※Revitライセンスがサブスクリプションに切り替わりソフトの運用戦略も近年重要になってきている。

2BIM環境の構築(テンプレート等の作成)

BIM運用の重要な要素であるテンプレート作成のサポートを受けている。

※BIM運用開始時やBIM確認申請を行うにあたってのテンプレートの作成等運用展開にあわせてテンプレートの作成をしていただいている。

3BIM運用の支援(Revitリモートサポート)

大塚商会が提供している「CADテレホンサポート」と呼ばれるサービスで、電話とPC画面を見ながらリモートでRevitの操作方法を教えてくれる。

※操作や設定に関する問い合わせに対応(修理・メンテナンス、ハードウェアに関する回答は除く)

今後の展望

BIMの制度化やBIM活用の先にあると言われる建設業のデジタルトランスフォーメーションの議論が活発になってきている。また、海外との連携もスモールスタートで無駄なコストをかけずスムーズに業務を進められる環境構築が容易になってきている。
フリーダムは、2018年ベトナムにBIMセンター@ダナンを開設し、海外とのBIMワークフローの連携をはじめた。現在、BIM確認申請は、BIMセンター@ダナンと連携しながら進めている。さらには、BIM確認申請において構造連携のみならず、3次元測量データとの連携も現実的になってきている。今後、3次元測量データも含めた検査機関との連携も出てくるだろう。

一方で、現在BIM確認申請の法的プロセスにおいて、今回のフリーダムの100棟までの取り組みにより、住宅分野においての現状の法制度含めたBIM確認申請の落とし所はある程度見えてきている。 従来の電子申請の取り組みにBIMデータを加えた取り組みは、現在の法規制のなかではある一定のところまできている。より踏み込んだBIMデータを前提とした新しい制度設計の検討が今後より本格的なBIMの普及には必要になってくるだろう。

株式会社大塚商会連絡先:03‐3514‐7815
CADプロモーション部建設プロモーション課
営業時間 9:00~17:30(土日祝日/当社休業日を除く)

P r o f i l e

フリーダムアーキテクツデザイン株式会社

事業本部 関東設計監理部 BIM設計室室長
今井一雄 一級建築士

他のカテゴリの記事を読む