リオタのディテール流儀 ― 関本竜太「板金外壁をすっきり納める」
更新日2017年0月29日
板金外壁をすっきり納める
住宅の外壁には、「ローコスト」であることや「メンテナンスが容易」であることなどを求める建築主が多い。これらの観点から、ガルバリウム鋼板の右に出る素材はないだろう。ガルバリウム鋼板による外壁仕上げには、サイディング、スパンドレル、板金折りなどがあるが、中でも板金折りは、設計者の工夫次第で美観や手作り感をさらに高めることが可能な仕上げだ。その一方で、使い方を誤ると安っぽくなり、防水上のリスクも発生する。今回はそんな板金外壁仕上げのポイントを解説したい。

その1「板金外壁はコーナーで決まる」
![[写真:新澤一平]](/img/pages/riota_style/07/01.png)
板金外壁で最も重要なのはコーナーの納まりである。ここさえ押さえておけば、見た目の8割は約束されたようなものだ。板金はもともと屋根葺き材であるため、外壁に板金を葺くことに慣れていない職人も多い。
屋根ではあり得ない直角のコーナーを板金で美しく納めるには、いかに部材を減らして手数を少なくするかが肝といえる。


コラム「立はぜ葺き」と「横葺き」
板金外壁の葺き方は、「立はぜ葺き」と「横葺き」に大別される[※1]。どちらを選択するかは意匠上の意図によるが、いずれも「張り」のある凛とした表情をつくるためには、葺き方に工夫が必要である。
板金屋根の場合は、通常0.35mm程度の板を使用するが、外壁の場合は“べこつき”を抑えるために0.4mm程度の板を使用する。立はぜ葺き、横葺きそれぞれの注意点を挙げる。
通常の立はぜ葺きでは、つかみこんだ板材をさらに曲げ込み、最終的には板金5枚分の厚みとなるはぜができあがる。しかしこのつかみの過程で面材に歪みが生じることがあるため、筆者の場合、外壁使いの場合は一次折りでとどめるようにしている[※2]。
横葺き[事例2 隅切りの家、事例3 FP]最近では既製の横葺き材などを使用せざるを得ないことが多い[※3]。外壁用に開発されたものは仕上がりはよいが高価なのが玉に瑕である。筆者は、屋根用の既製材のなかでもヤマが小さく、シンプルな嵌合部材を選んでいる。また働き幅によって外壁の割付けも異なるため、最初から働き幅を意識して設計を進める。

※2 外壁の場合、垂直に施工するため水切れがよく、防水テープなどを一緒に巻きこみ、毛細管現象による水の回り込みを防ぐ配慮をすることで、1次折りでの納まりを可能としている
※3 以前は物件ごとに働き幅を変えたり、現場の要望に応じて板材を自前の加工機で加工をするのが普通だったが、最近は板材から折ってくれる職人が少ないことなどから、メーカーの規格品(あらかじめ折られた材)が主流となっている