リオタのディテール流儀 ―関本竜太 「照明は明るすぎず暗すぎず」
更新日2017年04月10日
照明は明るすぎず暗すぎず
昼間は燦々(さんさん)と自然光が差し込んでいたリビングも、夜になれば照明が灯る。住宅の照明は生活に寄り添い、家族が集うリビングから寝室に至るまで心からリラックスした時間を過ごせるよう注意深く計画しなくてはならない。照明計画は、ただ数字上の照度が確保されていればよいというものではない。暗闇に灯るキャンドルにもほっと安堵することがあるのが人の暮らしであり、照らされる面が床なのか天井なのかによっても心理的効果は異なる。明るすぎず暗すぎず、生活を美しく照らす照明計画について考えてみたい。
その1「間接照明と直接照明の使い分け方法」
紫陽花の家
照明計画の基本はメリハリである。照明は空間の長所を伸ばし短所を補ってくれる。強調したい空間要素があれば、そこを照らすことで空間の魅力がより引き立つ。天井が高い空間なら天井を、低い空間なら床を間接光で照らすことで空間の高さや重心の低さを強調できる。照明の照らし方を変えるだけで、空間は昼間とは異なるさまざまな表情を見せてくれる。