リオタのディテール流儀 ―関本竜太 「開かれたデッキテラス」
更新日2017年06月01日
開かれたデッキテラス
屋外でありながら屋内の延長のように使えるデッキテラスは住まい手にとって憧れのアイテムといえるだろう。だが、せっかくのデッキテラスが単なる物干し場にされているケースも多く、それではもったいない。開かれたテラスは室内空間に広がりをもたらしてくれる。また手摺の構造を工夫すればプライバシーを保護し、外壁から跳ね出せば敷地の有効利用にもつながる。素材の使い方を工夫すれば建物の顔にもなる。ここではそんな機能的で美しいデッキテラス=中間領域のあり方を考えてみたい。
その1「定番のデッキテラスとルーバー手摺」
百日紅の家[写真:バウハウスネオ]
2階などに設けるデッキテラスは手摺の構造がデザインの要となる。ルーバー手摺は筆者が木造住宅で最も多く採用する手摺構造の1つであるが、その繊細な見た目とは裏腹に、意外と加工は簡単なうえ、驚くほど堅牢なつくりとなる。何よりルーバーを通じて室内に風を運び、洗濯物を隠しつつも乾きは早い。ファサードのアクセントにもなり、ほどよくプライバシーを保つことができる。