リオタのディテール流儀 ― 関本竜太「湿式ならではの外壁表現を考える」
更新日2017年11月30日
湿式ならではの外壁表現を考える
数ある住宅の外壁仕上げのなかでも、モルタル下地による湿式外壁は、ガルバリウムの板金外壁と並んで、筆者の定番外壁となっている。いずれも既製の工業製品とは異なり、設計者の創意工夫が反映しやすい点や、コストパフォーマンス、そして高い防火性能などから市街地でも採用しやすいことなどが長所として挙げられる。しかし湿式外壁の魅力はそれだけにとどまらない。ここでは、湿式外壁仕上げの特性を理解し、トラブルを回避しながら、湿式ならではの特徴ある住宅の外観をつくるためのノウハウについて解説する。
その1「湿式外壁を表現から考える」
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継目をつくらずシームレスに外壁を構成できる湿式外壁は、大きな塊から削り出したような彫刻的フォルムや、ミニマルな建築表現との相性がよい。この「かたまり感」とも呼ぶべきボリューム感覚を強く意識すると、湿式外壁は強いインパクトをもつ建築表現となる。ここでは実際に湿式外壁を採用した住宅について、その特性を生かした設計手法をほかの外壁素材と比較し、解説したい。
※2 筆者は次の建材をよく使う。ソフトリシン:セラミソフトリシン/エスケー化研、アクリル樹脂(吹付け・左官):マジックコート/フッコー
※3 リオタ のディテール流儀・第5回「板金屋根の基本知識を押さえる」参照
※3 リオタ のディテール流儀・第5回「板金屋根の基本知識を押さえる」参照