リオタのディテール流儀 ― 関本竜太
「より効果的な吹抜け空間のつくりかた」

更新日2018年01月31日

リオタのディテール流儀 より効果的な
吹抜け空間のつくりかた

 吹抜けには、空間設計の醍醐味が凝縮されている。水平に連なる空間を垂直にもつなぐことで、家族の気配を感じさせ、ハイサイドライトを介して光をたっぷりと室内に採り込むことができる。また吹抜けには、単調な空間にメリハリを与え、空間の力強さをより高めてくれる効果もある。それだけにせっかく設けるからには、その効果を最大に引き出すよう工夫したいところだ。家族のコミュニケーションを活性化させる仕掛けや、温熱環境についても知恵を凝らした、効果的な吹抜けについて考えてみたい。

吹抜けの長所や注意点を理解したうえで、得られるメリットをどう高めるかを紹介します

その1「ハイサイドライトで奥まで光を届ける」

ひかりハウス ひかりハウス

 住宅密集地では2階にリビングを設けたほうが日照条件が有利になる。しかし諸事情により1階にリビングを設ける場合は吹抜けを設け、ハイサイドライトなどからの採光を確保するのがセオリーだ。本事例の敷地では、日照方向がすべて建物に囲まれているという難題に直面した。そこで、ハイサイドライトを1階の窓位置よりも奥にずらし、奥行きの深いリビングの端まで光を導いた。

住宅密集地における採光に交線的吹抜け
事例1 ひかりハウス
建築知識研究所

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