リオタのディテール流儀 ― 関本竜太
「唯一無二の!? キッチンのつくり方」

更新日2018年02月27日

リオタのディテール流儀 唯一無二の!?
キッチンのつくり方

 言うまでもなく、キッチンは住宅設計で最重要ポイントの1つである。リビングとは異なり、そこにはシビアな機能性が求められることから、キッチンを失敗すればたちまちその家すべて失敗の誹(そし)りを免れない。そのため日本においては、キッチンは浴室とともに独自の進化を遂げ、システムキッチンという完成度の高い製品群を生み出すに至った。ところが一方で、キッチンの存在感はときに空間全体を呑み込むくらいのインパクトをももつ。ここでは機能性を踏まえたうえで、空間と調和するシンプルな造作キッチンについて考えてみたい。

住まい手に合わせて造作する「オリジナルキッチン」を設計する際の注意点を紹介します

その1「平面からキッチンを考える」

ひかりハウス 紫陽花の家[写真:新澤一平]

 キッチンの平面上の配置についてはあらゆる可能性が考えられるが、経験上、次に示す3つの基本パターン[図1]を押さえておけばほとんどのケースに対応できる。主婦層に人気のあるのは対面型と呼ばれるものだが、手元を隠せるほうが日常使いの勝手が良い。他方、壁面型にすれば省スペースに納められ、ダイニング側に余裕ができることもある。計画との相性を慎重に見極めたいところだ。

図1 平面からキッチンを考える
事例1 隅切りの家 「①対面型キッチン」
建築知識研究所

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