リオタのディテール流儀 ― 関本竜太
「玄関はライフスタイルで決まる」

更新日2018年08月31日

リオタのディテール流儀 玄関は
ライフスタイルで決まる

 住宅において玄関は不思議な位置付けの空間かもしれない。一日の過半は誰も居ない、通過するだけの空間であるにもかかわらず、ある種の格式が求められ、広ければよいという幻想も根強い。私は玄関を無意味に飾ることや広くすることには抵抗がある。玄関はライフスタイルとプランニングで決まると考えるからだ。コンパクトでも過不足ない収納や機能性と、玄関扉を開けた途端に思わず笑みがこぼれるような演出やデザインを考えたい。ここでは玄関に必要な要素を押さえつつ、建築主のライフスタイルに寄り添った玄関について考えてみたい。

住まいの顔ともいえる玄関。気持ちよく人を出迎えられるスペースであることに加え、住まい手「らしさ」の表現ともなる玄関のつくり方を解説します

その1「コンパクトな標準玄関」

FP[写真: 新澤一平] FP[写真: 新澤一平]

 初期のプランニングでは、1坪程度の玄関サイズを想定することが多い。けして広くはなく、至れり尽くせりとはいかないが、注意深く寸法を詰めれば機能的にも満足のいく玄関になる。玄関をコンパクトに納められれば、余剰空間を家族の空間により広く割り当てることが可能になる。建築主の要望を注意深くくみ取り、玄関に必要なオプションを自由に拡げて考えたい。

図 「ライフスタイル×プランニング」で決まる玄関
事例1 FP
建築知識研究所

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