家づくりの楽しさに顧客をまきこんで成約率とコストパフォーマンスが
大幅に向上。リノベーションにも、BIM×VR。

更新日2018年10月31日

家づくりの楽しさに顧客をまきこんで成約率とコストパフォーマンスが大幅に向上。リノベーションにも、BIM×VR。

フリーダムアーキテクツデザイン株式会社

日本におけるBIMによる住宅設計の先駆者ともいえる、フリーダムアーキテクツデザイン(以下 フリーダム)。一般的には「戸建の注文住宅」の会社と認識されているであろう同社だが、実は最近リノベーション部門「REDESIGN」の業績も急成長している。 その背景にあるのは、やはり「Revit」を用いたBIMとVRの活用だ。立ち上げから「REDESIGN」チームを率いる熱田大作氏に、そのメリットと手ごたえをきいた。

「ここに住みたい」「建売はいや」
こだわりある顧客との合意形成もスピーディに


建築知識研究所― 大塚商会とタッグを組んで「Revit」の利用推進に取り組んでいるフリーダム。以前ならば、戸建てにBIMやVRは異色のチャレンジと見なされていましたが、徐々にその意義・メリットが業界でも認知されてきたように感じます。 一方リノベーションでRevitを活用する例はまだ業界でも少ないと思いますが、リノベーションで活用するにいたった経緯について教えていただけますか。

フリーダム・熱田大作部長(以下:熱田)― 「REDESIGN」チームは、2016年2月、当社がRevit導入・推進に着手すると同時にスタートしました。これまでそれほどPRしてこなかったのでまだ認知度が低いと思いますが、実は最初からRevitを活用し原則全棟BIMで設計を行っている部署です。
フリーダムには、問い合わせのあったお客様の中に、「リノベーションでないと希望をかなえられない層」は確実に何割かいらっしゃいます。
以前は、せっかくフリーダムにアクセスしてくれたのに、資料請求だけで終わってしまうケースが多くありました。そのようなお客様の期待に応えるために「REDESIGN」は立ち上がりました。

建築知識研究所― 「リノベーションでないと希望をかなえられない層」というと……?

熱田― 「ここに住みたい」というエリアが決まっている方や、予算などの問題で「注文住宅は無理」、でも「建売りはいやだ」という方などです。
注文住宅の場合は、やはり土地の取得がしやすい郊外在住か、元々土地や家をお持ちのお客様が多いですが、リノベーションの場合は都心志向が強めです。中古物件を取得してリノベーションすることで、自分たちの希望やライフスタイルにあった住まいを賢く手に入れようと考えるケースが多くあります。

建築知識研究所― とてもこだわりがはっきりしているお客様が多そうですね。

熱田- 実際そうだと思います。そして、だからこそBIMとVRによるプレゼンテーションに向いたお客様だ、と感じます。
リノベーションの場合、そのままでは不満足な既存の空間・間取りがまずあります。それがプラン提案によってどう変わるかを、3Dで見せ、VRで仮想体験していただけるBIM+VRの説得力は絶大です。

平面図で丁寧に説明を加えたところで、お客様はピンときてくれないケースは多々あります。設計事務所としても「じゃあここを変えたらどうなるの?」と訊かれても、手直しに時間がかかるため、即答することができないケースもあります。
そうなるとお客様は「これがベストだ」と決定しきれず、他社の案とも比較したい……要するに、みんなが避けたい〝相見積もり〟になってしまうというわけです。

でもBIMとVRを利用した当社のプレゼンなら、未来の住まいをお客様自らに仮想体験していただくことができます。
室内を歩いて動線を確かめたり、立ち位置によって変わる視界を楽しんだり、気になる箇所があったら、変更してすぐにBefore・Afterの違いをチェックできます。
自らの意見が反映されるところを、リアルタイムで見るというのは、家づくりの一番楽しいところですので、その経験を互いに共有できるプレゼンは、それ自体が上質な顧客サービスであり、それが成約率の向上にもつながっていると思います。

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