BIM×組織 住宅ワークフロー徹底解説
BIMによる確認申請が約50棟突破!

更新日2019年04月15日

家づくりの楽しさに顧客をまきこんで成約率とコストパフォーマンスが大幅に向上。リノベーションにも、BIM×VR。

フリーダムアーキテクツデザイン株式会社

2016年8月国内初のBIMによる確認申請が実現した。その後もBIM確認申請が広がりはじめている。 フリーダムはテクノロジに特化した施工会社であるアーキ&テクノロジーズ株式会社(以下、A&T社)を2017年7月に設立、今フリーダムグループ全体でBIMを活用した新しい取り組みをはじめている。
「BIMによるプロセス全体の最適化を通し、フリーダムは今どうお客様に新しい価値提供をできるかを考えBIMワークフローを実践しています。BIM確認申請は、BIMワークフローのごく一部ですが、ここをまずBIM化することで、社内のBIM化の流れは一気に加速します。」
そう話すのは、BIM設計室室長今井氏。
A&T社が、これまでに行ったBIMによる確認申請の件数は50件を超える。ここでは、原則全棟でBIMワークフローを実践しているA&T社の住宅BIMワークフローを徹底解説する。

住宅BIMワークフロー徹底解説


図が住宅BIMワークフローの概要だ。

BIMワークフローは、建てるために必要な情報を段階ごとに足していくプロセスである。BIM確認申請は「検査機関の審査をする側と提出する設計者」がお互いあらかじめ答え合わせをし、その内容をテンプレート、ルール化する取り組みであった。これに、今度は施工に必要な情報を「現場担当者と設計者」が、あらかじめ答えあわせし、テンプレート、ルール化する取り組みを加えつくり上げたのが、今回のBIMワークフローだ。BIM確認申請の時と同様、テンプレートは大塚商会社に依頼し、運用している。


1.BIMデータは段階ごとに必要な情報を


A&T社では、BIMワークフローの中で無駄な手戻りが発生しないようにポイントとなるクリティカルパスや協力会社様と連携する明確なプロセス、ルールを決めている。
一度モデルをつくれば、ベースの枠組み(図面アウトプットのベース等)はできているのでこのベースデータを元に確認申請、施工に必要な情報といった具合に段階ごとに必要な情報を足していく、段階ごとにBIMデータを育てていくようなプロセスを行っている。また、従来からの建物づくりを合理的に進める順序は、当然そのプロセスに組み込まれる。
具体的に、図の上から1.敷地・地盤調整、2.構造連携 4.確認申請この順番をオーバーラップさせず、順に作業を進めていくと手戻りは減る。例えば、敷地調査が構造依頼の後にくると、敷地を入れ直した際、斜線距離がずれ建物の高さのレベル情報を再度設定しなおす必要がでてくるかもしれない。ここでは、1.敷地調査があがってきた段階で、あらかじめRevitのアドインの1つであるADS-BT for Revit(集団規定解析ソフト)を活用し、斜線をチェックしてから構造依頼に出すことも有効だ。

また、原則全棟構造計算関係書類とRevitの構造モデルをセットで構造事務所から受け取り、構造モデルを意匠の Revitモデルとリンクし、視覚的に整合性の確認をとれる体制を構築している。これにより従来2次元での図面チェックのみだったものが、視覚的にわかりやすく3次元モデルで構造との不整合をチェックすることができる。
構造と連携した確認申請においても、2017年12月には、意匠と構造をリンクした Revitの生データを確認検査機関に提出し、確認済証の交付を実現している。

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