BIM確認申請約100棟突破!!
その成果と今後の展望
更新日2020年01月27日
フリーダムアーキテクツデザイン株式会社
官民が一体となってBIMの活用を推進する「建築BIM推進会議」の設置などさまざまなところでBIMの取り組みが活発になっている。とりわけ、「BIMを活用した建築確認検査の実施」は重要なテーマの一つとして位置づけられている。
フリーダムアーキテクツデザイン株式会社(以下、フリーダム)は、顧客とのコミュニケーションツールとしてのBIM活用にとどまらず、BIMワークフローを構築し、確認申請までBIMの活用を推進している設計事務所である。そして、2016年8月国内初のBIM確認申請を実現して以来その取り組みはついに100棟を超えた。
今回BIM確認申請100棟の取り組みの成果として、そこから見えてきた効果的なBIMワークフロー運用3つのポイントを紹介する。
BIM確認申請100棟突破の概要
まず、フリーダムの2016年8月の国内初の取り組みから100棟までの案件の概説をする。
実施した100棟のエリアは、関東が中心で、東京都内が約5割、千葉が約2割、神奈川約1.5割、埼玉約1割、その他0.5割であった。また、2階建てと3階建ての割合は約7:3であり、2階建て住宅が約7割を占めている。
さらには、2階建ての約6割、3階建ての約9割は準防火地域であった。
次に、BIM確認申請100棟までの推移をグラフに示す。
2016年8月の国内初のBIM確認申請からしばらく時間がかかっていたが、2017年7月の施工会社アーキ&テクノロジーズ株式会社の設立や2018年6月に開設したBIΜセンター@ダナンとの連携でワークフローは加速し、BIM確認申請の数も伸びている。
※このBIM確認申請を肝としたフリーダムのBIMセンター@ダナンとのグローバルなBIMの取り組みは2019年11月28日に品川プリンスホテルで開催された「いい地盤の日アワード」で大賞を受賞した。
BIM確認申請100棟の取り組みから見る
効果的なBIMワークフロー運用3つのポイント
フリーダムのBIM運用は、特殊なアドイン等を使用せずに一般的なBIMを実現するソフトRevitの基本的なツールで行なっている特徴がある。現在2次元からの切り替えをよりシンプルにコストを抑えて行いたい方にはとても参考になるワークフローとなっている。
それでは、BIM確認申請100棟までの取り組みから見えてきた効果的なBIMワークフロー運用3つのポイントを紹介する。
1. ワークフロー全体で効果をだす
<企業視点:BIMワークフローとルール化による全体最適>
BIMの導入時は部分的なBIM化になりがちである。Revit導入時によく起こりがちな2次元がメインの業務フローの中で部分的な3D活用は、2次元との整合性確認、修正や3D部分の追加で複雑化し工数が膨れ上がることは多々ある。
ワークフロー全体の中でBIM確認申請をワークフローの肝として位置づけ、1つのBIMデータでワークフローをまわし、フロントローディングを行うことでBIMの効果が最大限に発揮される。
参考「住宅BIMワークフローを徹底解説 ~BIM×組織~」
https://www.cadjapan.com/special/bim-navi/download/report/workflow.html
2. 最先端であり現実的なワークフローをまわす
<現場視点:現場に負荷をかけすぎず最新の技術を取り入れる>
新しい技術を日々アップデートしながら、1つのBIMデータを用いてワークフローをまわすことでBIMの効果を最大化できる。ただ一気にフルBIM化すると現場の苦労やコストも大きい。特にBIM化の導入を今までの2次元の業務フローと同様の感覚で行うと現場での負荷が大きい。そのアプローチが3次元ベースの設計プロセスであるBIMとは全く違うからである。最低限BIMの仕組みをよく理解したものが新しく取り入れる技術を選別しながら業務をまわし、ワークフローを日々微調整していくことは必須である。