リオタのディテール流儀 ― 関本竜太「板金屋根の基本知識を押さえる」

更新日2017年11月07日

リオタのディテール流儀 板金屋根の基本知識を押さえる

住宅設計において、屋根の納まりというのは最も重要なポイントの1つと言えるだろう。納まりや素材の選択を誤ると、美観を損ねるばかりか、悪くすれば漏水が発生し大問題に発展する。屋根素材には瓦やスレートなど数々の種類があるが、板金ほど汎用性が高く使いやすい素材はないかもしれない。軽量にして安価なうえ、施工を正しく行えば止水性や耐久性も高く、板金外壁と同様に設計者の工夫によってさまざまな見せ方が可能となる。今回はそんな板金屋根について、押さえるべき納まりのポイントを解説したい。

前回の「板金外壁」に続き「板金屋根」に注目。立はぜ葺きと横葺きの特徴と注意点を再確認します

その1「立はぜ葺きと横葺きを使い分ける」

[写真:新澤一平]

板金外壁の回[※1]でも述べたが、数ある板金屋根仕上げのなかでも代表格は「立はぜ葺き」と「横葺き」[※2]であろう。
板金葺きの基本の葺き方であるこの2つを押さえていれば、ほぼすべての状況に対応できる。ここでは、筆者がどういう場面で、どのようにこの2つを使い分けているか、解説したい。

図1 立はぜ葺きと横葺きの特徴
事例1 緩斜面の家 「立はぜ葺きで納めたケース」 ※1 リオタ のディテール流儀・第4回「板金外壁をすっきり納める」参照
※2 ここでは一文字葺き、平葺きも横葺きの一種として紹介する
建築知識研究所

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