社長の心を射止める、圧倒的プレゼン効率
BIM×VRだから可能になった「社長の邸宅」プロジェクトに大きな反響(2ページ目)

更新日2018年03月30日

漠然としていた希望を、カタチにして疑似体験
ツボにはまれば合意形成は早い

建築知識研究所―なるほど、「社長の邸宅」はVRありきで開発されたプロジェクトということなのですね。リリース後の反応では、狙い通りに経営者クラスの案件が獲得できていますか?

フリーダム―反応は上々です。すでに数件はVRのプレゼンテーションを終え、設計契約や土地の取得まで進んでいます。
実際にヒアリングして分かってきたのは、「社長の邸宅」に関心を示す多くのお客様は、今現在、住んでいる家に大きな不満があるわけではないということでした。
今の住まいも悪くない。しかし型にはまった家が自分にあっているかというと疑問がある。数億円の高層マンションやレジデンスを見てみてもピンと来ない。なにかもっと、現在の自分の暮らしを豊かにしてくれる場がほしくて、その提案を求めている、という印象です。

建築知識研究所―「今より心豊かに暮らせる家」という意味でしょうか。具体的な例を教えていただけますか?

フリーダム―たとえばこちらは「体を鍛えるために、自宅にもプールがほしい」というオーダーで設計した例です。
俗に〝プールのある家〟といったら、庭先やガレージに併設するのが一般的ですが、我々はもっと暮らしの中に“水と戯れる”機会を取り入れるべきだと考えました。
朝起きたらそのまま寝室からプールに飛び込めるドアや、プールとバスルーム、トレーニングジムへの動線の間にテラスを配置しニュートラルな場所で家族とふれあう。プールで遊ぶ子供たちを見守れるようにキッチンをレイアウト、といったプランを考えたのです。

この生活の流れを短時間で平面図、パースだけでは伝えるのは難しい。VRで実際に動いてもらえば設計者はコメントを横で案内するだけで十分です。
空間を一緒に動きながらお客さまのさらなる要望を引き出す。お客さまの課題を受け、設計者が描き出した回答を、VRを用いて共有することができます。我々の提案が理解されているかどうかは表情や声ではっきりわかります。
今まで提案内容をお客様に伝えきれずモヤモヤするようなことはVRのプレゼンテーションでは一切ありません。
お客様は建築家のネームバリューで設計者を選択するのではなく、具体的な建物を見て判断するようになります。VRを使うことで設計力による本当の競争が始まるのです。

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