徹底解説[ 屋 根 ] 本間 至氏(ブライシュティフト)(3ページ目)

更新日2015年06月05日

─郊外の住宅の屋根形状はどのようにして決まりますか。

敷地にゆとりがあり、斜線制限を受けない立地では、勾配を緩くし、軒も深くします。ただし、離れた場所から建物を眺めることも多いので配慮が必要です。屋根のボリュームが大きすぎると、建築物の圧迫感が強くなってしまうので、横に長く流れるような水平方向を強調します。外観を低く見せることで、都市部同様に内部空間の広がりも強調できます。具体的には、郊外型住宅の屋根勾配は、1.1~2.8寸勾配の間で調整することが多いと思います。

「軽井沢の別荘」[事例2]の屋根は、2.8寸勾配です。緩やかな斜面上にある敷地に合わせて、屋根の勾配を決めました。建物の高さは相当に抑えたように見えますが、内部の天井高は、最も高いところで3m以上とし、空間に広がりが感じられます[図4]。

事例2軽井沢の別荘(郊外住宅の例)

切妻屋根を架けた平屋。屋根材はガルバリウム鋼板の銀黒色 切妻屋根を架けた平屋。屋根材はガルバリウム鋼板の銀黒色

■図4 断面図[S=1:250]

■図4 断面図[S=1:250]
建築知識研究所

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