徹底解説[ 屋 根 ] 本間 至氏(ブライシュティフト)(4ページ目)

更新日2015年0月5日

瓦のような輝きを求めて
たどり着いた色

─屋根材として、よく使用する素材はありますか。

20年ほど前から、ガルバリウム鋼板をよく利用しています。軽さと耐用年数の点で屋根に最適な素材だと考えています。壁にも使用でき、屋根と一体化することも可能です。

また、耐久性や防汚性を高める表面処理の種類も豊富になり、選択肢が増えています。処理の違いで価格が変わり、保証期間も異なるので、費用対効果と建築主の判断で選べばよいでしょう。

色は主に銀黒、ブラウン、シルバーの3色を愛用しています。黒光りする瓦をイメージし、銀黒にたどり着きました。色に濃淡があって底ヅヤがある点はブラウンも同様です。シルバーは遮熱効果が高く、美しく仕上がります。ただし、反射しすぎるため、隣家への影響を考える必要があります。マット系の色は、屋根がのっぺりとしがちで、建築物を重く見せることがあるのであまり使いません。

─太陽光発電システムの取り付けを希望する建築主も増えていると思いますが、その場合、どのようなことに気を付けたらよいでしょうか?

太陽光発電システムを取り付ける場合は、効率のよい発電量を得るための方角、勾配などの決まりに従います。電線などの影が少しでも入ると発電効率が落ちるので、周辺環境もふまえて計画が必要です。屋根と一体型の機器もありますが、使い慣れている屋根の上に載せるタイプをよく採用します。

屋根のデザインは、外観を大きく左右します。勾配や外壁との関係、ディテールや素材選びに工夫を施すことで、建築主に誇りを持って「わが家」と呼んでもらえるデザインにしたいと思っています。

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P r o f i l e
本 間 至
(ほんま いたる)
  • 1956年東京都生まれ。
  • 1979年日本大学理工学部建築学科卒業。
  • 1979年~1986年林寛治設計事務所所属。
  • 1986年本間至/ブライシュティフト(一級建築士事務所)設立。
  • 1995「NPO家づくりの会」に設計会員として参加。
  • 2006~2008年「NPO家づくりの会」代表理事。
  • 2010年~日本大学理工学部建築学科非常勤講師。
  • 著書に『最高の住宅をデザインする方法』『最高の住宅をつくる方法』
  • 『最高の開口部をつくる方法』『最高に楽しい間取りの図鑑』
  • (以上、すべてエクスナレッジ刊)
建築知識研究所

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