不動産の価値は“地盤+土地+建物”で決めよう。(2ページ目)

更新日2016年04月21日

「その地盤工事は必要なのか?」
純度の高い調査データを消費者に届けるために

建築知識研究所―しかし現状でも、多くの建設会社や住宅会社が、災害リスクを抑えるため着工前に地盤調査をし、地盤改良工事を行っています。

地盤ネット―そうですね。しかし、実はそこに、地盤に関する業界の問題が隠されていると私は感じています。なぜなら、地盤調査と改良工事をするのは、ほとんどの場合、同じ会社だからです。
実をいうと、地盤調査をやっても数万円の売り上げにしかなりません。でも、その後の工事まで請けおうことができれば、数十万から数百万の利益がでます。要するに、調査から改良工事まで一貫で行わなければ収益があがらない仕組みなのです。このため、たとえ安全だという調査結果が出ても「工事が必要」という業者が少なからずいるのが、今の地盤業界です。

建築知識研究所―どんな調査をしたのか。本当にその工事が必要なのか、また工事が適切なのかといった点は、たしかにお客様には分かりにくい。地盤改良をしたことで、マイホーム予算が不足してしまったという方もいらっしゃるでしょうね。

地盤ネット―かつて地盤会社で働いていた頃の私が、不信感を抱いたのはまさにその点です。ブラックボックス化したこの仕組みによって、安心を求めて依頼してくれた方が、かえって不利益をこうむってしまうことがある。
理想としては、調査は調査として専門機関が行って精度の高いデータをとり、必要に応じて工事を別の会社が行うようにすれば透明性は高まります。一方で、調査会社自体が、調査でしっかり収益を上げられなければ、この理想は絵に描いた餅になってしまう。それでも、信頼性の高いデータを多数提供することで収益を上げつつ、マイホームを求める人のお役に立ちたいという一念で立ち上げたのが、地盤調査と解析の専門会社・地盤ネットなのです。

建築知識研究所―消費者には喜ばしいことですが、業界の慣習に風穴をあけたわけですから、反発もあったのではないですか?

地盤ネット―当社が創業当初に行っていたのは「地盤セカンドオピニオン」というサービスのみでした。これは「改良工事が必要」といわれたが納得のいかない方から、調査資料を送っていただいて本当に工事が必要なのかを再判定する、というものです。
よその判定を疑うわけですから、それはもう大変なバッシングを浴びました。しかし実際、再判定したうちの約80%以上が不要または過剰な工事を行おうとしている、という結果だったのですから、やはりこのサービスは必要なのだと、改めて感じたものです。

地盤会社は「地盤改良工事」からの収益に依存せざるを得なくなっています。
施主や住宅会社からすると、過剰な「地盤改良工事」に繋がりがちな場合があります。

「地盤調査」を行う会社が、「地盤解析」「改良工事」「保証」を一括して兼ねている場合、安価な地盤調査を、改良工事の受注を前提として受注している傾向があります。「改良工事」を受注しない地盤解析専門会社・地盤ネットの「地盤セカンドオピニオン®」を導入することで、過剰に判定されがちな「地盤改良工事」を、第三者から再検討することができます。 03

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