「いずれ自分が暮らす家」をバーチャルリアリティで体感

更新日2017年02月01日

「いずれ自分が暮らす家」をバーチャルリアリティで体感

フリーダムアーキテクツデザイン株式会社

「バーチャルリアリティ元年」。そんなコピーがメディアをにぎわせた2016年末。フリーダムアーキテクツデザイン(以下 フリーダム)から、またしても先進的な取り組みの噂が流れてきた。
同社ではかねてより、株式会社大塚商会の協力を得て、BIMを取り扱える三次元CADソフト「Revit」の運用を推進している。その3Dデータを利用して、VRで設計段階の家の中を歩き回り、スケール感・空気感を体験できる「VRアーキテクツシステム」を構築し、2017年2月からの提供をめざすというのだ。
テーマがVRだけに、まさに「百聞は一見にしかず」となる、今回の取り組み。設備が整った同社日本橋スタジオから、体験レポートをお届けする。

BIMによる設計データがあれば
プラスαの手間で「VR体験」を提供可能に


建築知識研究所―VRは、これまで主にゲームや映画などのエンターテインメント分野で活用される技術、という印象でした。しかしその利用分野は確実に広がっており、建築業界でも、大手ゼネコンやハウスメーカーが、「モデルルーム内をVRで」というサービスを提供した例がいくつかあります。
しかし「設計中の実邸をVR体験」というのは、おそらく国内では初の取り組み。業界内外で大きな注目を集めていますね。

フリーダム・長澤信事業開発部長―「VRアーキテクツシステム」は、どこよりも早くお客様にVR提案をしたく開発したシステムですから、話題になるのはありがたいことです。
とはいえ、さほど手間や予算をかけて開発したというわけではありません。元々当社が推進している、オートデスク社の「Revit」を活用した、BIMによる実設計プロジェクトの流れから生まれたサービスですから。

建築知識研究所―現在の「VR」はまだ目新しい技術で、とても付加価値の高いサービスという印象がありますが…?

フリーダム―「Revit」でつくったBIMのデータは、「オートデスクLIVE」という形式に書き出すことができるんです。これを「HTC Vive」というヘッドマウントをつけて見ることで、データ内を見る・歩く・確かめる体験ができます。
レンダリングのクオリティを上げるためには「オートデスクStingray」という3Dゲームエンジンを用いました。「オートデスクLIVE」のデータにライトマップを焼きこみ、水のゆらぎや草木のそよぎ、季節ごとの日照変化などを反映して、よりリアリティある表現が可能になります。

VRワークフローの確立

建築知識研究所―正直「それだけ」でVRサービスを提供できるのか!という印象です。

フリーダム―もちろんこれは、BIMデータがある、ということが大前提ですから、イチからスタートとなると大変です。しかし当社にはすでに、BIMで実設計から確認申請まで行える体制・実績がありますから、プラスαといえる程度の手間・予算で提供可能になりました。

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