近い将来、必ず訪れる建築確認申請図面も「Revit」で、の時代
更新日2016年08月04日
株式会社大塚商会 × フリーダムアーキテクツデザイン株式会社
2015年秋から、BIMを取り扱える三次元CADソフト「Revit」の運用を推進しているフリーダムアーキテクツデザイン(以下 フリーダム)。
本来、一般住宅用に開発されたわけではないBIMソフトだけに、住宅設計での有効性を実感させ、実用にこぎつけるまでにはフリーダム社内でも試行錯誤があった。その導入から社内運用までを丁寧にサポートしているのが、株式会社大塚商会(以下 大塚)だ。
(参照 http://freedomlab.jp/news/view/201510161)
フリーダム社内に「Revit」が浸透しつつある中、『「Revit」で作成した図面データでダイレクトに建築確認申請ができる目処が立ちそうだ』という噂が飛び込んできた。
確認申請は建築士・設計士にとって、施工前に必ずクリアしなければならない課題。噂の詳細を、フリーダムと大塚商会の双方に伺ってきた。
実用化が進む「Revit」での住宅設計
しかし確認申請用には別の2Dデータが必要だった
建築知識研究所―御社内では昨年から「Revit」を導入し、大塚商会のサポートの元で着々と実案件での活用が増えていると伺っています。今回は、さらにそのデータで確認申請ができるようになるかも……というお話なのですが、そうした目処がついた経緯を教えていただけますか?
フリーダム・長澤信事業開発部長―以前の取材で、「Revit」で作成した3D図面でのプラン提案は、お客様との合意形成が速やかになってフロントローディングの効果も高い、というお話をしました。
(参照 http://freedomlab.jp/news/view/201604281)
基本設計が完了した後は、実施設計、確認申請と進みます。しかし現状では、Revitのデータのままスムーズに確認申請図書を作ることが出来ませんでした。
BIMによる確認申請は、公共建築物や大規模プロジェクトで検討されていますが、なかなか進んでいません。規模が大きくなると法規や構造が複雑に絡んできます。また、設計に関わる人が多いためソフトやデータの統一にも時間がかかります。その中で検査機関がBIMデータで申請を行うということは越えるべきハードルが相当高いのだろうと思います。
建築知識研究所―規模の大きな建物だと難しい、というのであれば、小さな住宅の確認申請であればどうなのでしょう?
フリーダム・長澤―BIMによる確認申請は、住宅建築の方が適していると私は考えています。
なぜなら、関係する法令や記載事項が特殊建築物より少なく、プロジェクトに関わるメンバーも少ないですから。その考えからフリーダムでは、数ヶ月前からRevitによる確認申請を進めてきました。
しかし、確認申請段階では、追記修正、余分な線や情報を整理する必要があるため、申請部署としては使い慣れている2DCADの方が早い。そのため、Revitデータを変換して2DCADで取り込み作業をしてしまうというのが現状でした。